32 名前:本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2009/12/12(土) 20:21:14 ID:BINoeELs0
20数年前、バブル真っ最中で銀行はどんどん回収見込みの無い所にまで貸し付けをやっていた。
銀行を真似てマリンバンクや農協も組合員に簡単に貸していたんだ。
ある漁業系の貸し付けはめちゃくちゃ酷かった。
1000万円の評価額の土地を担保に2年間で計3000万円を貸りたAという人がいた。
なぜ、そんな貸し付けが出来たのかと言うと、
組合の会長が入院中で代理のBが決済を下してたらしい。
詳しくは知らないが、Aのようにどう考えても絶対に貸りられるはずの無い大金が数人の組合員に貸し付けられた。
で、数年後、金を借りた人の親戚の元に督促状が何通も届くようになった。
そのほとんどが高校はおろか、中学もろくに行っていなかったような老人なんだ。
督促状には大金を借りた組合員の保証人と書いてあった。
ローンも組めない年金暮らしのお年寄りを狙って、組合員、会長代理のBらが仕掛けた詐欺だった。
田舎じゃ、玄関のカギなんかかけないから勝手に家に入って老人の実印と印鑑証明を持ち出したんだ。
その上、土地の権利書も持ち出し、勝手に抵当に入れてたから親戚中が大騒動。
そんなのが何件も出て来たんだけど、マリンバンクは「借金は借金だからなんとかして払え」
借金をした本人は「困った親戚を助けるのは当たり前」と開き直る
被害者は子供や孫に叱られ、ショックで死んだり、首をくくったり…
家を取られ、住む所を無くし出ていった老人もいた。



33 名前:本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2009/12/12(土) 20:22:28 ID:BINoeELs0
それからすぐに会長代理のBが突然の原因不明の病気で病死。
組合理事Cの妻が病死し、息子夫婦が破産し離婚。
組合理事Dは多額の借金を残し妻子を捨てて夜逃げ。
Aは心臓病で倒れた。
これが一月以内に立て続けに起こったんだ。

Aが倒れる前にAの妻が何人もの老人がAの家の周りをグルグル回っているのを目撃していた。
「こいつは…どうする?」
「こいつも騙されたクチやでなぁ」
「取らんでもいいが?」
「そやけど、こらしめんとなぁ」
「そうや、こらしめんとあかん」

後になってわかったが、Aは借入金額3000万のうち、500万をB,C,Dにピンハネされていたそうだ。
今、Aは生きてはいる。
生きてはいるが、いつも耳元で「年寄りから騙し取った金で飯食うとるんかぁ?」
「夜中、沖で船が止まったらそら怖いでぇー仲間が来るでなぁー」
そんな声がしょっちゅう聞こえて夜も眠れないそうだ。

なぜ、自分がこれを知っているかと言うと、Aは自分の親戚で亡くなった老人も身内なんだ。
権利書、実印、印鑑証明などを取られたのだから訴えれば良かったと思うのだが、
親が言うには身内から逮捕者を出したくないと思ったんだろうとの事だった。

霊感の強い母曰く、Aの肩には嫌な笑顔の3人の老人ともがき苦しむBがしがみ付いているのだそうだ。
Aはニトログリセリンを首からぶら下げているのだが、その瓶を3人の老人が指で弾いて遊んでいるという。
多分、今度発作が起きたらニトロを口にすること無く苦しみながら逝くのであろう。
「Kちゃん(母の名前)、因果応報なんよ、仕方ない事よなぁ」
老人の1人が母にそう語ったそうだ。


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12.30 (Wed) 01:51 [ 怖い ] CM3. TOP▲

957 名前:本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2009/09/20(日) 16:39:14 ID:dT4vMfy60
そんなに怖くはないけれど、ちょっと引っかかってる事なんだが。

高校三年の四月に俺のオヤジが家の金(俺の学費用に貯めて貰ってた金も入ってたらしい)勝手に使ったり
、会社に仕事の成果偽って報告してたり、家族に内緒ですげぇ借金してたりしてたのが発覚した。
会社は勿論クビになったし、借金は親戚が一度は全部返してくれたんだがそっからもドンドン新しい借金が発覚
して、ついにオカンも離婚したんだわ。
婿養子だったオヤジだけを我が家から追放して、借金の影響が我が家に来ないようにしたんだがオヤジの悪行を聞いて
難病抱えてた祖父さんは参っちまったのか病気の悪化で入院して、そのまま死んじまった。

祖父さんっ子だった俺は「祖父さんが死んだのはオヤジのせいだ。」と思って、めちゃくちゃオヤジを憎んだ。
さらに離婚して隣の県に引っ越ししたオヤジが勝手に祖父さんの名前つかって借金したりして、もう本気で親父を殺した
くなった。
受験控えたストレスとかもあったんだろうが、毎日、毎日オヤジを妄想の中で刺したり、殴ったりして殺しまくってたんだわ。

そしたら、八月に夢みたんよ。
全然しらないアパートで一人暮らししている俺の部屋のドアがいきなり開いて、ドアに近づいたら
あのオヤジが笑いながら入ってきて包丁で俺の腹刺してきた。
血は出たが全然痛くなかったから、俺は部屋から走って逃げた。

アパートの近くの民家に逃げ込んだ俺はそこに住んでた全然知らないオバさんに匿ってもらったんだが
オヤジはその家のドアを蹴り破ろうとしてきてる。俺はその家の人に包丁を借りて外に出てオヤジの腹を刺し返した。
オヤジは血だして倒れた。



958 名前:本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2009/09/20(日) 16:40:35 ID:dT4vMfy60
>>957続き
次の瞬間には自分の実家に場所が変わってた。
足元には倒れたオヤジが血流して倒れてる。あせった俺は二階にいるオカンに
「やべぇオヤジ殺した」
っていうとオカンは
「あぁ、じゃあその辺捨てときなさい」
って言う。
俺はオヤジを二階に引きずって居間に運んだんだ。そしたら突然動きだして今度は俺の首絞めてきた。
こっちもオヤジの首つかんで絞め返したよ。したらまた動かなくなった。
次は自分の部屋にオヤジを運んだんだ。なぜか部屋にはブルーシートが引いてあった。
オヤジをその上に置いたんだが、したらまた動きだしやがった。
もう怖くてしかたなくなった俺はオヤジの上に馬乗りになって、いつの間にか掴んでた包丁で刺しまくった。
何回も何回も刺しまくって、刺すとこない位に刺しまくって、最後は首を掻き切ったんだ。
でも、どんだけ穴だらけにしてもオヤジはずっとわらってたんだ。
そこで目が醒めたんだけど、その夢みた二日後に警察から電話かかってきたんだ。
オヤジがアパートで死んでたっていう電話だった。
警察の話によると、再就職したオヤジが職場に来ないから会社の人が見に行ったら血吐いて死んでたんだと
死因はタバコと酒で出来た喉の病気だったらしいけど、死後二日たってたそうだ。
俺が夢でオヤジを殺した夜に死んだってことになる。

虫の知らせっていうのか、でも何か違うような。
なんか俺の中のオヤジ殺しの妄想が本当の事になったみたいで今でも怖く思う。


12.29 (Tue) 03:44 [ 怖い ] CM3. TOP▲

513 名前:本当にあった怖い名無し[] 投稿日:2009/09/14(月) 23:22:22 ID:TGwkFCOi0
二年ほど前に遡ります。
私は父が経営する土建屋で事務をしています。
今は兄が実質の社長ですが、やはり父の威光には
かないません。

そんな父の趣味が発端と思われる出来事です…。

父は、自ら所有する山にどうやら「ログハウス」を建てたいらしく、
元々、日曜大工が趣味であった父ですから、中古の重機を購入しとダンプを
友人の土建屋さんから借り入れ、本格的に基礎工事まで着手するようでした。
週に一度の休みを利用して、父はまめに通っていました。
着手してから、数ヵ月後。
父「○○(母の名前)~、警察よんでけれ」
母「え、え、え?なしたの?」
父「骨出てきたから、警察に電話してけれじゃ」
母「ぇえぇ、殺人事件?」
父「いいがら、はやぐ」
(父は、未だに携帯を持とうともしないので、
わざわざ山から40分かけて自宅に。母は用心の為と
携帯を持たせているのですが意味なしですよね。)
警官が三名やって来まして、父はその現場を案内する為
先導することに。私も休みでしたから、興味本位で同行
する事にしました。
現場に到着しますと、散乱している白骨が
飴色に変色した骨が剥き出しになっていまして
足枷があり、それに鎖が繋がっているのも見えました。
素人目にも古い骨だということはすぐわかりました。
事件性の有無などの確認の為なのか、父は細かい質問を
随分受けていました。



514 名前:本当にあった怖い名無し[] 投稿日:2009/09/14(月) 23:24:30 ID:TGwkFCOi0
検死官もその後、到着しまして、
とても古い骨であると言う事。事件にしてもとっくに時効を
迎えているであろう事から、意外なことに…。
警察官「申し訳ないですが、そちらで処分ねがいます」
私も一瞬呆気にとられましたが、父は元々豪胆で、
父「したら、こっちで坊さん呼んで供養してもらうわ」
と、果物用の木箱に骨を入れ始め、
(検死官と警察官も手伝ってくれました。)
その日は、その骨を檀家の住職さんの所へ持ち込み
無縁仏として供養して頂くことにして貰いました。
(その枷と鎖は、まだ寺にあるはずです。)
豪胆な父は、その後また現場へ戻り作業の続きをしようとしたので、
心配になり、父が帰宅するまで一緒にいました。
帰宅する時に、体が異常にだるかった事を覚えています。
父母と三人で、昼間の奇妙な事件について
食卓を囲みながら話、私は体がだるかった事もあり、
入浴の後、父母よりも先に寝ました。
夢を見ました…。
***夢の内容***
なぜか私は、木製のリュックというか
箱を背負い石を運ばされています。
朝早くから、日が沈むまでそれは続き
やっと開放されたと思えば、
小さな掘立小屋のような所に押し込められ
寒さと、飢えを感じながら床に着く。
そして夜中に、口を押さえ付けられ
代わる代わる犯される…。
**************
朝起きると、汗びっしょりで
変な経験したから、あんな夢みたのかなぁ
くらいに考えていました。


12.22 (Tue) 00:48 [ 怖い ] CM7. TOP▲

374 名前:許容範囲 1/5[sage] 投稿日:2009/09/14(月) 02:50:37 ID:UL+vul1d0
2年ほど前の話し。その年の夏、俺は大小様々な不幸に見舞われていた。
仕事でありえないミスを連発させたり、交通事故を起こしたり、隣県に遊びに行って車にイタズラされた事もあった。
原因不明の体調不良で10キロ近く痩せた。そして何より堪えたのは、父が癌で急逝したこと。
そんなこんなで、「お祓いでも受けてみようかな・・・・・」、なんて思ってもない独り言を呟くと、
彼女(現在嫁)が、「そうしようよ!」と強く勧めてきた。

本来自分は心霊番組があれば絶対見るくらいのオカルト大好き人間なんだけど、心霊現象自体には否定的
(こういう奴が一番多いんじゃないか?)で、お祓いが利くなんて全く信じちゃいなかった。
自家用車に神主が祝詞をあげるサマを想像すると、シュールすぎて噴き出してしまう。そんなものを信用する
なんて、とてもじゃないが無理だった。
彼女にしてもそれは同じ筈だった。彼女は心霊現象否定派で、なお且つオカルトそのものに興味がなかった。
だから俺が何の気なしに言った『お祓い』に食いついてくるとは予想外だった。
まぁそれは当時の俺が、いかに追い詰められていたかという事の証明で、実際今思い返してもいい気はしない。

俺は生来の電話嫌いで、連絡手段はもっぱらメールが主だった。だから彼女に神社に連絡してもらい(ダメ社会人!)、
お祓いの予約を取ってもらった。
そこは地元の神社なんだけど、かなり離れた場所にあるから地元意識はほとんどない。ろくに参拝した記憶もない。
死んだ親父から聞いた話しでは、やはり神格の低い?神社だとか。しかし神社は神社。数日後、彼女と二人で神社を
訪ねた。



375 名前:2/5[sage] 投稿日:2009/09/14(月) 02:51:34 ID:UL+vul1d0
神社には既に何人か、一見して参拝者とは違う雰囲気の人たちが来ていた。彼女の話しでは午前の組と
午後の組があって、俺たちは午後の組だった。今集まっているのは皆、午後の組というわけだった。
合同でお祓いをするという事らしく、俺たちを含めて8人くらいが居た。本殿ではまだ午前の組がお祓いを
受けているのか、微かに祝詞のような声が漏れていた。
所在なくしていた俺たちの前に、袴姿の青年がやって来た。
「ご予約されていた○○様でしょうか」袴姿の青年は体こそ大きかったが、まだ若く頼りなさ気に見え、(コイツが
俺たちのお祓いするのかよ、大丈夫か?)、なんて思ってしまった。
「そうです、○○です」と彼女が答えると、もう暫らくお待ち下さい、と言われ、待機所のような所へ案内された。
待機所といっても屋根の下に椅子が並べてあるだけの『東屋』みたいなもので、壁がなく入り口から丸見えだった。
「スイマセン、今日はお兄さんがお祓いしてくれるんですかね?」と、気になっていた事を尋ねた。
「あぁ、いえ私じゃないです。上の者が担当しますので」
「あ、そうなんですか(ホッ)」
「私はただ段取りを手伝うだけですから」と青年が言う。
すると、待機所にいた先客らしき中年の男が青年に尋ねた。どうやら一人でお祓いを受けに来ているようだった。
「お兄さんさぁ、神主とかしてたらさ、霊能力っていうか、幽霊とか見えたりするの?」
その時待機所に居る全員の視線が、青年に集まったのを感じた(笑)。俺もそこんとこは知りたかった。
「いやぁ全然見えないですねぇ。まぁちょっとは、『何かいる』って感じることも、ない事はないんですけど」
皆の注目を知ってか知らずか、そう笑顔で青年は返した。
「じゃあ修行っていうか、長いことその仕事続けたら段々見えるようになるんですか?」と俺の彼女が聞く。
「ん~それは何とも。多分・・・」青年が口を開いた、その時だった。


12.22 (Tue) 00:41 [ 怖い ] CM3. TOP▲

102 名前:[sage] 投稿日:2009/09/13(日) 02:32:11 ID:wrOFdkJNO
もうだいぶ昔、浮遊霊様っていう遊びにハマっていた時期がある。要はコックリさんの類。
名前なんて何でも良かったし、コックリさんをやっても、どうせ近寄ってくるのはそこら辺の浮遊霊という話で、誰かが悪ノリして付けた名前だったと思う。
ただ、10円玉で試みて全く動かなかったことが度々あって、エンジェル様だかキューピット様のようにシャープペンを使ってやっていた。これが面白いように動く。
友達がいっていたのだが、コックリさんの類に自分の寿命を聞いちゃいけないらしい。それでも、やはり自分の未来については知りたいところ。
ある日、未来についての質問もネタが尽きかけていた時、こんなことを聞いてみた。

「俺はこの先、どんな人生を送りますか?」

カーテンを締め切り、蝋燭の光が不気味に揺れている薄暗い俺の部屋、そこにはいつものメンツが四人。シャープペンがスルスルと動く。

『…て…ん…ら…く』

部屋の温度が少し下がった気がした。

「てんらく…転落?この先、転落人生ってことかよ?」

友達のひとりが笑ったので内心かなりブルーだったのだが、おどけたり悪態をついたりして見せた。
すると別の友達が、少し慌てたように、おい、あまりふざけるな、ヤバイって、と声を荒げた。
少しの沈黙の後、ついさっきまで俺を笑っていたはずの友達が、何の前ぶれもなく、俺達四人のど真ん中に向かって大量のゲロを吐き、それは儀式に使われていた紙を中心に広がっていった。
その後は軽い地獄絵図。すっかり気分も萎えて、解散することに。
遠足のバスでの惨劇などを思い出しながら、『部屋の掃除ダルイなぁ』などと自分の哀れんでいると、派手に吐いた友達が両脇を抱えられて外に連れ出されたのを見計らって、ひとりの友達が真顔で近づいてきた。

「だからヤバイって言っただろ?どんな浮遊霊だか地縛霊が来てたか分からないんだぞ?タチ悪いのだったらどうする。しばらくは部屋の四隅に盛塩でもしとけよな」

その友達は、自称『見える人』だったが、見えない俺には、否定も肯定も出来ない存在だった。その時までは。



12.21 (Mon) 00:57 [ 怖い ] CM9. TOP▲

33 名前:1/2[sage] 投稿日:2009/09/12(土) 16:39:20 ID:/rljoh/Z0
3ヶ月ほど前の出来事。
新宿の某百貨店の地下道を通って某大型書店へ通じる地下道があるのだが、
その道を歩いていた時の事。
通路に入って暫らく歩いていると、床と壁の間くらいのところに人間の手が見えた。
なんと説明したらいいのか…壁から手首から先が生えているとでも表現したら
いいのか、「置いてある」という風には見えなかった。
作り物にも見えず、非常に生々しく今にも動きそうな手だったが、とくに血の跡などが
あるわけでもなく、ただ壁のかなり下のほうに手がだらんと垂れ下がっているだけだったので、
俺は「きもちわりーな…誰の悪戯だよ」と思いながらそのままスルーして通り過ぎた。
特にその日はそれだけで何もなかった。

そんな事も完全に忘れて1週間ほどたった頃、俺はまたその地下道を通って某書店へ行く
事にした。
地下道は場所が少し辺鄙なところにあるため、普段あまり人通りはないのだが、その日は
俺の前方に20代中盤くらいの女の人が歩いていた。
地下道の書店側出口は地上へでるエレベーターになっており、女の人が俺に気付かず乗ってしまうと
エレベーターが戻ってくるまで待たないといけないので、少し早足に女の人を追うような形
で歩き始めた時ある事に気が付いた。

その女の人には左腕の手首から先がなかった。
俺はその瞬間先日の事を思い出したが、「まさか、偶然だろ」とそのまま女の人と一緒に
エレベーターに乗り込んだ。
俺が1階のボタンを押したのだが、その女の人はボタンを押す気配が無い。
「まあ俺と同じく1階で降りるんだろう」とそのまま1階に到着するのを待ったのだが何かおかしい。
普通なら1階までは30秒程度で到着するのだが、エレベーターが動いている気配はあるのに
いつまで経っても1階に着かない。

続く



34 名前:2/2[sage] 投稿日:2009/09/12(土) 16:40:22 ID:/rljoh/Z0
続き

「おかしいなぁ」と思いながら何となく天井辺りを眺めていると、俺の斜め後ろにいた
女の人が急にボソボソと何かを呟き始めた。
最初はよく聞き取れなかったので、俺は「気もちわりぃなぁ」くらいにしか思ってなかったのだが、
女の人の呟き声が段々と大きくなってきて、はっきりと聞き取れるようになった時、俺は背筋が
寒くなった。

女の人はずっと俺の後ろで「どうして左手がないか知りたい?」と繰り返し呟いていた。
俺は必死で気付かないふりをしていたのだが、なぜか未だにエレベーターは1階に到着
しない、もう1分以上経っている。
明らかに異常な状況で俺は全身に嫌な汗をかきはじめ、必死で気付かない振りを
しながら「早く1階についてくれ!」と心の中で言い続けた。

それから更に1分ほどこの状況が続いたが、一向にエレベーターのドアが開く気配が無い。
俺は嫌な汗をかきながら1階のボタンを何度も押し続けた。
すると、今度は女の人が俺の後ろでクスクスと笑い始めた。

俺は耐え切れなくなり、「何なんだよ!」と言いながら後ろを振り向いた。
かなり強い口調で言ったのだが、女の人は全く動じずうつむいたまままだ笑っている。
その時、やっとエレベーターが1階に到着しドアが開いた。
俺は助かったと思い、早足に外へ出ようとすると、女の人が俺の去り際にこんどは
こう呟いた。
「私の左手見たよね?これで終わりだと思う?」と。

何か思わせぶりだったが、あれから3ヶ月、特に俺におかしな事は起きていない。
ただ、あれ以来あの地下道は通っていない。
二度と通る事は無いだろう。
そもそもあの女の人が人だったのか、それとも「それ以外」だったのかすらわからないが…

終わり


12.20 (Sun) 02:35 [ 怖い ] CM2. TOP▲

766 名前:十九地蔵 1/4[] 投稿日:2009/08/20(木) 01:55:04 ID:pfI/pQWT0
俺の家は広島のど田舎なのだが、なぜか隣村と仲が悪い。俺の村をA村、隣村をB村とし
よう。不思議な事に、なぜ仲が悪いのかは不明なのだ。A村の住人に聞いても、B村の住人
に聞いても明確な理由は解らない。理由不明。しいて言えば、ご先祖様の代から、互いに
敵対していたと言う理由、つまり先祖の遺恨しかない。
A村、B村の人間は、結婚など御法度である。

そればかりではない俺のじいさんなどは、B村へは決して、いくなと言う。
別に、B村は部落民と言う訳では決してないし、A村も同様である。
俺「なんで行っちゃいけないの」
と子供の頃の俺が聞くと、
それは、B村の呪いで、災いを被るからだ等と言う。
曰く、
じいさん「A村、B村の境の道祖神を越えてA村の者がB村へ行くと、必ず禍を受ける。」
じいさん「例えば、B村○○の四つ角では事故を起こす者が多いが、決まってA村の者だ。」
じいさん「反対を押し切って結婚し、B村へ嫁いだ△△の娘が早死にした。」
じいさん「B村の□□川は流れが急で、深いから、5年か10年に一度事故が起こる。それ
が、不思議にA村の者ばかりだ。」
と言ったものだった。勿論、本当かどうかは知らない。



767 名前:十九地蔵 2/4[] 投稿日:2009/08/20(木) 01:55:45 ID:pfI/pQWT0
正直なところ、俺は祟りなぞ信じていない。じいさんに、B村へ行くと、何でA村の人に
危害が出るのか聞いてみた。

じいさん「十九地蔵が呪うからだ。」
とじいさんは答えた。十九地蔵と言うのは、B村の××神社にある十九体の地蔵で、俺も
見た事があるが、歴史を感じさせる古さがあるものの、ごく普通の地蔵である。

俺「なんで、お地蔵様が人を呪うの?」
じいさん「それは知らん。」
等と適当な事を言う。

こう言う因習については、若い世代ほど気にしない。俺なども事実、B村の友達もでき、
一緒に遊んだほどだ。B村の友達に、B村ではA村に行くなとか、言われた事ある? と
聞いてみたが、友達はそんなこと言われた事はないと答えた。

ますます俺はじいさんの古臭さを馬鹿にして、じいさんの言ってることは気にも留めなか
った。


12.11 (Fri) 22:55 [ 怖い ] CM11. TOP▲